
胸郭出口症候群は、鎖骨や肋骨周囲で神経や血管が圧迫されることで、首や肩、腕にしびれや痛みが生じる症状です。長時間のデスクワークや姿勢不良、重い物の持ち運びなどが原因となることがあります。
胸郭出口症候群の原因について

胸郭出口症候群は、鎖骨と肋骨の間などで神経や血管が圧迫され、腕や肩にしびれや痛みが生じる状態です。多くの場合は日常の姿勢や動作が関係しており、複数の要因が絡み合って発症すると考えられています。
まず主な原因として挙げられるのは、姿勢不良や筋肉の緊張による圧迫です。長時間のデスクワークや猫背、肩をすくめるような姿勢を続けると、首から肩にかけての筋肉が硬くなり、神経や血管を圧迫してしまうことがあります。
また、なで肩や鎖骨の位置の低下、首や肩の骨格の歪みも発症リスクを高めます。これにより胸郭出口が狭くなり、ちょっとした動作でも圧迫が強まり症状が出やすくなります。
さらに、筋力の低下や柔軟性不足も大きな要因です。特に肩甲骨や首周りの筋肉が弱いと、姿勢を支えられず圧迫が起こりやすくなります。加齢により筋肉や靭帯が硬くなることも、血流や神経の通り道を狭める原因になります。
他にも、重い荷物の持ち運びやスポーツでの反復動作、冷えによる血流の悪化などが発症の引き金となることがあります。これらの要因が重なり合い、腕のしびれやだるさ、首や肩の痛みとして症状が現れるのが胸郭出口症候群の特徴です。
胸郭出口症候群の症状について

胸郭出口症候群は、首や肩まわりの神経や血管が圧迫されることで起こる症状です。重い物を持ったとき、長時間のデスクワーク、腕を上げる動作などで、肩や腕にしびれや痛みが走るのが典型的なパターンです。
症状が出ている間は、腕や肩を動かすと痛みやしびれが悪化し、重い物を持つ、頭上に手を伸ばす、長時間同じ姿勢を保つなど、日常生活の動作に支障をきたします。腕のだるさや力が入りにくい感覚が続くこともあります。
多くの場合、症状は肩から腕、手先にかけて広がりますが、首や背中の張り感を伴うこともあります。特に夜間や朝方に症状が強くなることがあり、睡眠の質が低下する原因になることもあります。
また、神経だけでなく血管が圧迫されている場合は、手が冷たくなったり、青白くなるなどの循環障害が見られることもあります。しびれや痛みが長引く場合や症状が悪化している場合は、早めに医療機関での検査が必要です。
症状は姿勢や生活習慣の改善で軽減することも多いですが、放置すると慢性化する恐れがあります。適切なストレッチやリハビリ、医師の指導に基づいた治療が重要です。